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愛のない世界
私が母の胎内にいた時、母はどこにいたのだろう。
イギリスから帰ってから、体調が戻らず、体が弱いのは、母が後悔から私を消し去りたいが故に10か月の責め苦を生き抜いたからだろう。 私は母を知らない。知っているのは、母の家族が父を拒絶し、父が祖母にどうして俺を生んだのだと祖母を憎んだことだけだ。 そして、私の籍のためだけに結婚した別の人は一度も手をつないではくれず、迷子にばかりなり、感覚で探すものだから今でも地図が読めない。 母は私を捨て、別の人も私を捨てることばかり考え、父は別の人に気を使うばかり、妹が生まれると、私は家族の食卓から居間のテーブルに移され一人で食事をすることになり、愛のない世界で生きることが私の人生となり、私は社会と一人で対峙し、戦うことだけが自分を守るすべとなった。 #
by Iphigenie
| 2015-07-24 20:14
| roman
University of London2012年は、University of Oxford で教養講座受講でしたが、昨年11月にUniversity of LondonのInternational Programmes の学生になりました。英国は修士を1年で終了できる場合もありますが、多額の費用が掛かるため、若い人の特権でしょう。 さて、私のコースは大学院入学予習コースとでも言えばよいのでしょうか? 英国の大学院ばかりでなく、試験に合格すれば世界中の英語圏の大学院に通じる能力があると認められるところです。私は大学院に入学する年齢でもなく、費用もなく、別の目的で入学しました。 世界に膨大な数の教育機関のあるなかの一つで、研究対象の教授が長期在籍していたこと、それだけ膨大な資料があるはず。研究者を目指す者の自由な考えがある程度許されるであろうこと。短期で費用が安価なこと。世界中探して、フリードリッヒ・ハイエク博士を探る手段を探しあてた喜びは大きいものでした。 しかし、世の中、そう思い通りにはいきません。 11月から僅か、英国での試験まで5ヶ月間、神経質で体も弱い私は、全く勉強できずに試験に臨むことになりました。渡英してからの一夜漬けも、安宿での喧噪に悩まされ、早々に次回なら1年あるとの敗者の判断。 ケジントン公園の柔らかい芝生に横になり、日の光を浴び、可愛いジャック・ラッセル・テリアに覗き込まれる束の間の心地よい時、苦ありとて楽もまた身近にありのロンドン大学終了試験の顛末でした。 #
by Iphigenie
| 2013-06-12 09:19
| 現代思想
Bali
Baliへ行ってきました。
当分、日常生活に楽しみはなしのようなので、中村雄二郎先生の御本の中にあった「魔女ランダ」が長い間頭の隅にへばりついていて、多分、今回限りの旅だろうと思い出かけてしまいました。 朝、頭の上に大きな盥をのせた女性が、小さな手作りのお供え物を村中に置いていきます。 上に置くものは神様に、下に置くものは悪魔に。悪魔用は「私を悪にしないでください」のキリスト教みたいです。そして、神に近づくことが最高とされ、善と悪の限りない戦いは、人間であるかぎりの内なる悪の存在との永遠の戦いで、それゆえ、人々は善良で素朴。 #
by Iphigenie
| 2012-06-09 10:24
| 現代思想
Oxford Cherwell Drive kant reading
イタリアに持っていったdocomoのスマートフォンはもっぱら観光用です。
APに帰るとPCが起動しません。アダプタのカスタマーに電話すると、英語対応のアダプタを日本語対応のPCにコネクトしていると壊れますと言われてしまいました。今日は疲れたし、ライブラリも終了だし、諦めるしかないな。 翌日、Mr.AndrewとDr。Erasmusのテストの課題をライブラリで済ますため、早朝から気合を入れる。 この課題は、モートンカレッジのイベントのためで私がフランクフルトの教授たちに、参加の資格があるかどうかを試されるもの。 「出席を想定して述べよ」とある。とりあえず次週のテーマ「経験論的に考えることが自明であると主張せよ(観念論の論破を含めないで」 午前中はひたすら理解してもらえる英文に取り組み、午後3時過ぎに送信。送ったぞとやっと、スッキリ! しかし、今日は金曜、イベントは月曜。イタリアへ行く直前の課題メールで1週間も時間がたち、折角、何人もの先生を経て得たチャンスなのに、昨日のアクシデントは辛いところです。土日は休みだし、ああ、失礼を許して頂ける程の実力もなしでも、やり遂げた感動が体を走り、幸せな気持ちになりました。 こんな授業なら毎日受けたい。イデアには空間がなく、限りがない。だから魅了される。 そして、待てど暮らせど、返事はきませんでした。観光の写真を撮る人は多いけれど、私は自分の印象が総てだと思うところありで、多くの先生たちのご厚意がモートンのイベントに参加できなかったこととは別種に私にはとても強い印象として残りました。ありがとうございました。 APに帰り掃除。£500のデポジット返してもらうぞと頑張る! 最後の日。 早めに書店に寄って機内で読む本を買う。デビット・チャーマーズの新しいのを2冊。アリゾナ大や勉強会のメールなど相変わらず、送ってもらってるし、ハードプロブレム、ゾンビ、メタメタフィジクス、アバンギャルドが好きな私には、考え抜かれたアバンギャルドが魅力です。 エアラインバスでヒースローへ、疲れた早く自分の部屋で休みたい。 でも、また、どこかへ行くだろう。私を止めるものはなにもないから。 #
by Iphigenie
| 2012-05-14 17:57
| roman
Oxford Cherwell Drive Roma Ⅱ
トレヴィの近くのシスティーナ通りのホテルは便利でした。絶対タクシーには乗るまいと思い、歩く、地下鉄、また歩く。そして、私はアメリカ人になってしまいました。皆、冬のコートを着て寒そうにしているのに、暑いんですよ。持っていったGAPの普通のジャケットも暑い!しかたがないので、ノースリのワンピで、素足にコンバース。全然平気で、「寒くないの?」と聞かれると「寒くないことはないかも」と変な答え。
まっ、何はともあれぜ~んぶ、みてやるぞ! 世界的な観光スポットは2日で済ませ、大理石と石畳の歩道に面して、いい画廊があちこち。そんなところで、地元のART新聞を頂戴し、行きたいところに行く。それが私のやり方。 情熱的なお客さんだろうおばはんがある画廊にいて、アブストラクト絵画を若い男性にたいして、すべてフロイトのリビドーにして解説してしまい、あ~あ、何をたくらんでいるのやら。笑うしかないので、表にでました。 次の日、アメリカ人の私をアメリカ人と勘違いした、アメリカ人の団体さんが町はずれの現代ARTの美術館へ行くのにくっついてきてしまい。学芸員が笑ってました。びっくりしたことでしょうね、彼らあのエキジビジョンには。近頃は気味の悪いもの、汚いもの、残酷なものが表には出てこないけれど、ウォーホルも通る道を通ってますからね。一見、目を覆うものではなく、しかし、ある感覚に対して敏感であれば、十分、感覚を強烈に刺激することを意図しているのかもしれないと思うものが多かった(私的感想)。 #
by Iphigenie
| 2012-05-12 05:15
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